福岡地方裁判所 昭和45年(わ)919号 判決
昭和四六年一二月三日宣告
裁判所
福岡地方裁判所第四刑事部
裁判官
白石破竹郎
検察官
糟谷道彦
罪名
所得税法違反 被告人
本籍
福岡市中島町二番地
住居
北九州市八幡区西神原町九番一三号
職業
映画館内売店経営
横山トシコ
大正八年三月三日生
適用した罰条
所得税法第二三八条第一項
刑法第一八条、第四五条前段、第四七条本文、第一〇条、第四八条第二項、第二五条第一項
判決主文
被告人を懲役四月および罰金二五〇万円に処する。
右罰金を完納できないときは金五、〇〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
但し、本裁判確定の日から参年間右懲役刑の執行を猶予する。
罪となるべき事実の要旨
起訴状記載の公訴事実を引用する。
裁判所書記官 生野守
(裁判官 白石破竹郎)
起訴状
左記被告事件につき公訴を提起する。
昭和四五年一〇月三一日
福岡地方検察庁
検察官検事 弘津英輔
福岡地方裁判所 殿
一、被告人
本籍 福岡市中島町二番地
住居 北九州市八幡区西神原町九番一三号
職業 映画館内売店経営
横山トシ子
大正八年三月三日生
二、公訴事実
被告人は、北九州市八幡区西神原町九番一三号において、娯楽機委託業西日本娯楽機興業社を、同区黒崎一丁目九番一号黒崎東映映画劇場内および同区黒崎一丁目八番七号黒崎銀座映画劇場内において、各売店をそれぞれ経営し、いづれもその業務全般を統括し、その事業所得を自己の所得としていたものであるが、各事業について売上の一部除外および架空経費の計上を行ない、よつて得た所得を架空人名義の預金として所得を秘匿し、更に右事業所得の一部においては、他人名義で確定申告をなして累進税率の適用を免れるなどの不正手段によつて、所得税を免れようと企て
第一、昭和四二年分の実際の所得金額は、一三、五五四、七四八円、これに対する所得税額は五、八三九、二〇〇円であつたのに、前記各事業について、売上の一部除外、架空経費の計上を行ないよつて得た所得を架空人名義の預金として秘匿し、昭和四三年三月五日、北九州市八幡区本町五丁目五二番地八幡税務署において、同税務署長に対し、被告人名義で、前記黒崎銀座映画劇場内売店の事業所得額が六五〇、〇〇〇円で、その他不動産所得、雑所得を併せ被告人の総所得額は九一七、〇〇〇円、これに対する所得税額は七一、一〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出して過少申告を行ない、同月一日、前記黒崎東映映画劇場内売店の事業所得について、被告人の実姉井地雪枝名義で、事業所得額三八〇、〇〇〇円でこれに対する所得税額五、二〇〇円である旨の、同月一一日、前記西日本娯楽機興業社の事業所得について、被告人の実兄横山一典名義で、事業所得額七〇八、六四四円、これに対する所得税額二二、五〇〇円である旨の、いづれも虚偽の確定申告書を、いずれも前記八幡税務署において、同税務署長に提出し、もつて不正な手段によつて正当な所得税額との差額五、七四〇、四〇〇円を免れ
第二、昭和四三年分の所得金額は一四、七九六、三八三円、これに対する所得税額は六、四八一、〇〇〇円であつたのに、前記第一、同様の方法によって所得を秘匿し、昭和四四年三月一四日、前記八幡税務署において、同税務署長に対し、被告人名義で、前記黒崎銀座映画劇場内売店の事業所得額が七〇三、五九〇円で、その他不動産所得、雑所得を併せ被告人の総所得額は九七〇、五九〇円、これに対する所得税額は六八、〇〇〇円である旨の、虚偽の確定申告書を提出して過少申告を行ない、同日、前記黒崎東映映画劇場内売店の事業所得について、前記井地雪枝名義で事業所得額四一二、〇〇〇円、これに対する所得税額六、二〇〇円である旨の、前記西日本娯楽機興業社の事業所得について、前記横山一典名義で、事業所得額七四〇、一八二円、これに対すする所得税額二五、四〇〇円である旨のいづれも虚偽の確定申告書を、いづれも前記八幡税務署において、同税務署長に提出し、もつて不正な手段によつて正当な所得税額との差額六、三八一、四〇〇円を免れたものである。
三、罪名罰条
所得税法違反 同法第二三八条第一項